露から霜、そして雪へ 装いの移ろい
立冬も過ぎたのに、今年は暖かですね。
「きもの」好きとしては、過ごしやすい気候が続くのは大歓迎ですが、お茶の先生のお宅の炉開きの日は22度を超える気温で、一度しまった夏の長襦袢を取り出したほど。
出先で羽織やショールが邪魔に思えてしまうこともしばしばでした(笑)。
それでも季節は、寒露、降霜と移り変わり、間もなく小雪です。
以前は、10月になったら衣更え、「きもの」も単衣から袷に変えましたが、今は気温を目安に、自分が過ごしやすい「きもの」を選択することが良いとされるようになりました。当たり前のことなのですが、きもの文化が廃れていく中で、商業的に業界がセレモニーを中心に生き残りを図ったため、少し、歪んだ常識が作り上げられてしまったと、今は考えられています。
もちろん正装をしていく場は今でも以前どおり、それは洋服の時でも同様です。結婚式やお葬式には儀礼を重んじ、カジュアルな格好では伺う方はいませんよね(笑)。
さて、そういう訳で、私が今シーズン初めて袷を着たのは、10月半ば、羽織を着たのは10月末のことでした。
こちらは、東銀座で催された半幅帯の講習会に出向いたとき。
こちらは、根津美術館と平成中村座を観に浅草まで出かけたとき。
こちらはお茶の御稽古です。
帯は全て半幅帯ですが、「きもの」は銘仙から結城紬(真綿が入って暖かいのです)、ウールと変化しています。
炉開きに着た久しぶりの正装は、江戸小紋に袋帯でしたが、炉開きでは炭を炊きますので、
前述のとおり、長襦袢を夏物に変えてどうにか暑さをしのぎました。
これから寒さが厳しくなってきます。「きもの」は首元が寒いとおっしゃる方、「きもの」の中にタートルネックを着ても可愛いですよ。
ファッションですから、ご自分の感性で楽しまれることもお勧めしています。
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